Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
そうすると、そのお由という女は明神山の蛇に出逢ったのか」
「関口屋の女房と娘とお由と三人連れで、氷川へ参詣に行って、その帰り路で出逢ったそうで……。蛇じゃあねえ、切禿の女の子だそうですが……」
「女の子か」と、半七は又かんがえた。「お由は蛇に祟られて頓死したというのだな。頓死にもいろいろあるが、どんな死に方をしたのだ」
「それにもいろいろの噂があるのですが、わっしがお千代という女中をだまして聞いたところじゃあ、まあ、こんな話です」
関口屋ではお由、お千代、お熊という三人の女を使っているが、お由は仲働きで、他の二人は台所働きである。その晩はまだ残暑が強いので、裏口の空地にむかって雨戸を少し明けて、四畳半の女部屋に一つの蚊帳を吊って、三人が床をならべて寝た。いずれも若い同士であるから、正体もなく眠っていると、夜なかになってお由が急に騒ぎ出した。両側に寝ているお千代とお熊もおどろいて眼をさますと、お由は小声で「蛇……」と叫んだらしくきこえたので、二人はいよいよ驚いた。
お千代もお熊も夢中で蚊帳をころげ出して、台所から行燈をつけて来ると、お由は寝床の上に蜿打って苦しんでいる。