Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
蛇と幽霊とに執念ぶかく悩まされている人々のあいだに、第二のコロリ騒ぎが又おこった。
この頃はだんだんに涼風が立って、コロリの噂も少しく下火になったという時、関口屋の小僧の石松がコロリに罹って、二日目に死んだ。それが伝染したと見えて、半病人の女房お琴もつづいて同じ病いに取り憑かれて、これもひと晩のうちに死んだ。関口屋はまったくの暗黒である。近所の人たちの心も暗黒になった。
病気が病気であるから、関口屋でも女房の葬式を質素に行なった。その葬式が済んだ後に、次兵衛は思い切ったように云い出した。
「こうなっては、娘もやがて死ぬかも知れない。わたしもどうなるか判らない。関口屋の潰れる時節が来たのでしょう。兄の望み通りに、五百両でも千両でも出してやります」
さりとて千両は法外であると云うので、仲裁人らは再び交渉をすすめて、六百両までに相場をせり上げると、次右衛門もここらが見切り時と思ったらしく、渋々ながら承諾した。しかも大金であるから迂濶に渡すことは出来ない。後日のために、次右衛門から今後異論がないという一札を入れさせて、町役人も立ち会いの上で引き渡しを済ませた。