Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
ともかくもあしたは神奈川へ行ってみよう。本人は留守でも弟子が残っているだろう」
「じゃあ、あした又出直してまいります」
それから世間話などをして、三五郎は帰った。あしたは早いからと云うので、今夜は五ツ半(午後九時)頃から蚊帳にはいったが、あいにくと上州商人の三人づれが隣り座敷に泊まり合わせて、夜の更けるまで生糸の売り込みの話などを声高にしゃべっているので、半七らは容易に眠られなかった。横浜は江戸よりも涼しいと聞いていたが、残暑の夜はやはり寝苦しかった。
きょうは盆の十六日、横浜にも藪入りはあると見えて、朝から往来は賑わっていた。三五郎の来るのを待ちかねて、半七と松吉は早々に宿を出ると、きょうも晴れて暑かった。
「藪入りにはおあつれえ向きだが、おれたちには難儀だな」と、松吉は真っ青な空を仰ぎながら云った。
宮の渡しを越えて、神奈川の宿にゆき着いて、西の町の島田の家をたずねると、思いのほかに早く知れた。東海道から小半町も山手へはいった横町の右側で、畑のなかの一軒家のような茅葺屋根の小さい家がそれであった。表には型ばかりのあらい垣根を結って、まだ青い鶏頭が五、六本ひょろひょろと伸びているのが眼についた。