Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
馬丁を連れていないので、別手組のひとりはここに馬の番をしていることになって、他のひとりが異人たちを案内して坂を昇って行きました。異人のめずらしい時代ですから、往来の人達はみんな立ちどまって眺めている。又そのあとへぞろぞろと付いて来るのもある。そのうちに一人の女が男の異人に摺れ違ったかと思うと、素早くそのポケットの紙入れを抜き取った。しかし異人の方でも油断していなかったと見えて、すぐにその女を取り押さえました。
付いていた別手組もおどろいて、その女を押さえると、女は何も取った覚えはないと云う。袂や内ぶところや帯のあいだを探しても、紙入れは見付からない。異人はどうしても取ったと云う。女は取らないと云う。なにしろその品物を持っていないんだから、女の方が強味です。女は仕舞いには大きな声を出して、この異人はあたしに云いがかりをする。取りもしないものを取ったと云って、あたしに泥坊の濡衣を着せる。皆さんどうぞ加勢をして下さいと、泣き声で呶鳴るという始末。
異人嫌いの時代ですから、こうなると堪まりません。この毛唐人め、ふてえ奴だ。取りもしねえものを取ったと云って、日本人を泥坊扱いにしやあがる。