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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

女の人相などを詳しく訊きただして、二人はそこを出ると、幸次郎はすぐにささやいた。

「今の話で大抵わかりました。その女は蟹のお角と云って、両腕に蟹を一匹ずつ彫っている奴ですよ」

「そいつの巣はどこだ」

「どこと云って、巣を決めちゃあいねえようですが、お角と判れば調べようもあります」

二人は更に坂下の空地へまわると、秋草の乱れている中に五、六本の榛の木が立っていた。うしろは小笠原家の下屋敷で、一方には古い寺の生垣が見えた。一方には百姓の片手間に小商いをしているような小さい店が二、三軒つづいていた。それに囲まれた空地は五六百坪の草原に過ぎないで、芒のあいだに野菊などが白く咲いていた。五匹の馬をつないだのはかの榛の木に相違なく、そのあたりの草むらは随分踏み荒らされていた。

「馬を盗んで行った奴は素人でしょうね」と、幸次郎は云った。「商売人ならば日本馬か西洋馬か判る筈です。西洋馬なんぞ売りに行けばすぐに足が付くから、どうで盗むならば日本馬を二匹牽き出しそうなものだが、そこに気がつかねえのは素人で、手あたり次第に引っ張って行ったのでしょう」

「そうかな」と、半七は首をかしげた。