Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
それには何だか因縁がありそうで……。ねえ、鶴さん」
「母は因縁だと申していますが……」
「どんな因縁だね」と、半七は又訊いた。
「今時こんなお話をいたしますと、他人さまはお笑いになるかも知れませんが……」と、鶴吉は躊躇しながら云った。「伝蔵は主人の枕元にある脇指で斬ったのですが、その脇指が吉良上野殿の指料であったと云うことです。その由来は存じませんが、先祖代々伝わっているのだそうです」
「先祖伝来はともかくも、好んでそんな物をさすと云うのは、よっぽどの物好きだね」
「物好きといえば物好きです。吉良の脇指というので、代々の殿さまは差したこともなく、土蔵のなかに仕舞い込んであったのを、先年虫ぼしの節に、今の殿さまが御覧になって、どこが気に入ったのか、自分の指料にすると仰しゃいました。そんな物はお止めになったが好かろうと云った者もありましたが、殿さまはお肯きになりません。それは刀が悪いのではなく、差し手が悪いのだ。吉良が悪いから討たれたのだ。おれは吉良のような悪い事はしない、吉良の良い所にあやかって四位の少将にでも昇進するのだなぞと仰しゃって、とうとうその脇指を自分の指料になさいました。