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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

「伝蔵はどこへ行くとも云わなかったかえ」

「別に何とも云いませんでした。度胸がいいのか、その晩は高鼾で寝ていました」

ここまで話して来た時に、門口の枯れすすきの蔭から内を覗く者がある。それが彼の遠州屋才兵衛であった。半七らと顔をあわせて、才兵衛は困ったらしかったが、半七らも少し困った。お辰の使だなどと云って来た、その化けの皮が忽ち剥げてしまうからである。勿論、いよいよとなれば、正体をあらわすまでの事であるが、これまで聞けば用はないと思ったので、半七は立ち上がった。

「誰かお客があるようだ。わたしはこれでお暇としましょう」

「どうもお構い申しませんで……。お辰さんに宜しく仰しゃって下さい」

宇兵衛夫婦に送られて門口へ出ると、今さら逃げる訳にも行かない才兵衛がそこに突っ立っていた。

「やあ、お前さんもここへ来たのかえ」

云い捨てて半七はすたすたと行き過ぎた。善八も無言でつづいて来た。やがて七、八間も田圃道を通り抜けた時、善八はあとを見かえりながら云った。

「親分。あの遠州屋はなんだか変な奴ですね」

「自分のくれた成田の羊羹が、あすこに置いてあるので驚いたろう」と、半七は笑った。