Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
そのためか、お稲はだんだんに体が弱くなって、おととしの暮れに三十三で死にました。死ぬ三日ほど前にも激しい夫婦喧嘩をしたと云いますから、お稲の死因も少し怪しいと思われないこともありません。
江戸と佐倉と距れていますから、そんな捫著のおこったことを金右衛門はちっとも知らないで、今度の芝居見物に出て来たついでに、八年振りで下総屋へ尋ねて来ました。その金右衛門の顔をみると、茂兵衛はむかしの恨みがむらむらと湧き出して……。昔はこういうのを女仇討と云いましたが、何分にも無証拠ですから、表立ってかれこれ云うことは出来ません。しかし相手の顔をみると、茂兵衛は口惜しくって堪まらない。こういう奴に限って、嫉妬心も深い、復讐心も強い。無理に金右衛門らを一泊させて、なにかひと趣向しようと思ったのですが、どうしても馬喰町の宿へ帰ると云うので、急に思い付いたのが前の一件です。
金右衛門ら四人を小僧に送らせて、自分は近道を先廻りして、藪のなかに待っていて、金右衛門に斬り付ける。若い者の銀八はおさんを引っ担いで逃げる。銀八は重い米をかついで毎日得意先へ配っているのですから、十六の小娘を引っ担いで逃げるのは骨は折れません。