Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
つまりは色と慾との二筋道で、女が女を蕩して金を絞り取る。これだから油断がなりませんよ」
「そうすると、小三津という女役者もそれに引っ懸かったんですね」
「そうですよ」と、老人はうなずいた。「小三津は人気役者で、容貌もよし、小金も持っている。それに眼をつけて、最初は贔屓のように見せかけて、うまく丸め込んでしまったんです。どういう手があるのか知りませんが、この『男女』に引っかかると、女はみんな夢中になること不思議で、小三津も文字吉に魂を奪われてしまって、持っている金も着物も片っ端から入れ揚げる。それを師匠の小三に覚られて、幾たびか意見されても小三津は肯かない。これだけでも無事には済みそうもないところへ、又ひとつの事件が出来しました。それは国姓爺の芝居です」
「鳳閣寺の芝居ですね」
「さっきもお話し申した通り、ここの芝居は女役者の一座ですから、男と女と入りまじりの芝居は出来ない。そこで、今度の国姓爺を上演するに就いては、虎狩の虎を勤める役者に困ったので、浅川町の男芝居から市川岩蔵と照之助の兄弟を引っこ抜いて来ました。岩蔵はごろつきのような奴ですから、金にさえなれば何でも引き受けるというわけで、弟の照之助にすすめて虎を勤めさせ、自分も一緒に出て唐人の役を勤めることになりました。