Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
おまけに江戸の勝手をよく知らない人たちが道を訊きながら歩くのですから、いよいよ捗取らない。その日の八ツ半(午後三時)頃に青山六道の辻にさしかかりました。
六道の辻なぞと云うと、なんだか幽霊でも出そうな、凄い所のようにも思われますが、道の都合で四辻が二つある。それが続いているので、東から来る道がふた筋、西から来る道がふた筋、それに南北の大通りを加えると、道が六筋になる勘定で、誰が云い出したのか知りませんが、六道の辻という名になってしまったのです。ここらは小役人や御先手の組屋敷のあるところで、辻の片側には少しばかりの店屋があります。その荒物屋の前に荷をおろして、近在の百姓らしい男が柿を売っていました。
そこへ大小、袴、武家の若党風の男が来かかって、その柿の実を買うつもりらしく、売り手の百姓をつかまえて何か値段の掛け引きをしていました。すると、そこへ又ひとりの浪人風の男が来かかって、前の侍をひと眼見ると、たちまちに気色をかえて大音に叫びました。
「おのれ盗賊、見付けたぞ」
見付けられた若党もおどろいた様子で、なにか返答をしたようでしたが、それはよく聞こえませんでした。