Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
と云うのは、初めのうちはさほどでもないが、いよいよ出口へ近いところへ行くと、ひどく気味の悪いのに出っくわすので、もう堪まらなくなって逃げ出すことになる。おれは無事に通って反物を貰ったなぞと云い触らすのは、興行師の方の廻し者が多かったようです。そのうわさに釣られて、おれこそはという意気込みで押し掛けて行くと、やっぱり途中できゃあと叫んで逃げて来る。つまりは馬鹿にされながら金を取られるような訳ですが、前にも云う通り、怖い物見たさと慾とが手伝うのだから仕方がない。
その幽霊の観世物について、こんなお話があります。一体こういう観世物は夏から秋にかけて興行するのが習いで、冬の寒いときに幽霊の観世物なぞは無かったようです。芝居でも怪談の狂言は夏か秋に決まっていました。そこでこのお話も安政元年の七月末――いつぞや『正雪の絵馬』というお話をしたでしょう。淀橋の水車小屋が爆発した一件。あれは安政元年の六月十一日の出来事ですが、これは翌月の下旬、たしか二十六七日頃のことと覚えています。
その頃、浅草、仁王門のそばに、例の幽霊の観世物小屋が出来ました。これは利口なやりかたで、出口が二ヵ所にある。