Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
長助は俄かに顔の色をかえて、恐れるように半七をじっと見つめた。彼は松吉の商売を知っている。したがって、半七の身分も大抵想像したのであろう。それにしても、人を恐れるような彼の挙動が半七の注意をひいた。
「済まねえが、そこまで顔を貸してくれ」
半七は彼を誘って、七、八間ほども距れた茗荷畑のそばへ出た。
「おめえ、きょうは仕事を休んでいるのか」
「へえ」と、長助はあいまいに答えた。
「怪我をしているようだな。喧嘩でもしたのかえ」
「へえ、詰まらねえことで友達と……」
職人が友達と喧嘩をするのは珍らしくない。唯それだけの事で、彼が顔の色を変えたり、人を恐れたりする筈がない。半七は俄かに覚った。
「おい、長助。おめえは友達と喧嘩したのじゃああるめえ。きのうも仕事を休んだな」
長助の顔色はいよいよ変った。
「きのうも仕事を休んで浅草へ行ったろう」と、半七は畳みかけて云った。「そうして幽霊の小屋へ行って、何かごた付いたろう。はは、相手が悪い。おまけに多勢に無勢だ。なぐられて突き出されて、ちっと器量が悪かったな」
図星をさされたと見えて、長助は唖のように黙っていた。
「だが、相手はこんな事に馴れている。