Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
勿論、そういうことが無いとは限りません。しかしその話を聞いた時に、わたくしは何だか信次郎を怪しく思ったんです。義母の帰りが遅いからといって、幽霊の観世物を見て死んだんだろうと考えるのは、あんまり頭が働き過ぎるようです。本人は当日花川戸へ行って、その噂を聞いて来たと云うんですが、噂を聞いただけでなく、何もかも承知しているんじゃあないかという疑いが起こったんです。
もう一つには、お半という女隠居が、自分ひとりで左の路を行ったことです。連れでもあれば格別、女のくせに右へは出ないで、左へ行ったのが少し不思議です。路に迷ったといっても、右と左を間違えそうにも思われません。おそらく誰かに連れて行かれたのじゃあ無いかと思われます。そうなると、信次郎も当日浅草へ行ったというのが、いよいよ怪しく思われないでもありません。だんだん調べてみると、お半のあとから木戸をはいった若い男の年頃や人相が信次郎らしいので、まず大体の見当が付きました」
「お半を殺したのは大工らしいというのは、鉄槌からですか」
「そうです。喧嘩でもして人を殺すならば、手あたり次第に何でも持ちますが、前から用意して行く以上、手頃な物を持って行くのが当然です。