Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

小川町の歩兵屯所も土屋采女正と稲葉長門守の屋敷の建物はみな取り払われて、ここに新らしい長屋と練兵の広場を作ったのであるが、ある一部には昔の庭の形が幾分か残されている所もあった。第二小隊の井戸のそばには築山があった。この築山も昔は相当の手入れをして、定めて風致あるものと察せられたが、一年あまりの後には荒れに荒れて、六、七本の立ち木がおい茂っているばかりであった。そのなかに八重桜の大樹が今を盛りに咲き乱れているのを、風流気の乏しい半七も思わず見あげた。

「よく咲きましたね」

「むむ、よく咲いた」と、根井も見あげた。「伐るのも惜しいのでこうして置くが、桜もこんなところで咲いては張り合いがあるまい。なにしろ殺風景の世界だからな」

二人は笑いながら元の面会所へ帰った。ここで何かの打ち合わせをして、半七は屯所の門を出ると、ひとりの若い女の姿が眼の前に見えた。女は門番と何か立ち話をして立ち去るらしい。よく見ると、それは湯島天神下の藤屋という小料理屋の女中であった。

「おい、おい、お房。どこへ行くのだ」

「あら、親分さん」と、お房は会釈した。「よいお天気で結構でございます」