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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

お福の宿は根岸の魚八という魚屋で、おやじは代々の八兵衛、おふくろはお政、ほかに佐吉という弟がございます」と、要助は一々明瞭に答えた。

「乳母に出るのだから、一旦は亭主を持ったのだろうが、その亭主とは死に別れですかえ」

「なんでも浅草の方へ縁付きましたのですが、その亭主が道楽者で……。生まれた子が死んだのを幸いに、縁切りということに致しまして、乳母奉公に出たのだそうでございますが、まことに実体な忠義者で、主人の子どもを大切に致してくれますので、内外の評判も宜しゅうございます」

それから店の若い者、小僧、奥の女中たちまで、一々身もと調べをした上で、半七はかんがえながら云った。「なにしろ御心配ですね。これがお店にかかり合いのある者の仕業なら、案外に手っ取り早く埓が明くかも知れませんが、通りがかりの出来ごころで、ああ綺麗な児だと思って引っ攫って行かれたのじゃあ、その詮議がちっと面倒になる。しかしまあ折角のお頼みですから、なんとか出来るだけの事をしてみましょう。御主人にもよろしく仰しゃって下さい」

「なにぶん宜しく願います」と、要助は繰り返して頼んで帰った。

それを見送って、寄り付きの二畳へ出て来た半七は、誰か表に忍んでいるような気配を覚った。