Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
と、理右衛門は嘆息しながら云った。「こうなっては仕方がない。幸之助、尋常に曳かれて行って、御法の通りになれ」
幸之助は疲れ切ったように、無言で頭を垂れていると、長三郎は待ち兼ねたように訊いた。
「姉もここに居りますか」
「いや」と、理右衛門は頭をふった。「さっきも云う通り、姉はここにいない。幸之助ばかりだ」
「もし、瓜生の若旦那」と、吉五郎は喙をいれた。「あなたのお姉さまは……死骸になって江戸川から……」
「江戸川から……」と、長三郎は思わず叫んだ。
理右衛門も幸之助も思い思いの心持で、悲痛の溜め息を洩らした。それに無関心であるのは片眼の少女ばかりで、彼女は幸之助のひと太刀に若い命を断たれて、しかも満足そうに其処に横たわっていた。故意か偶然か、彼女の片手は長三郎の袴の裾を掴んでいた。
一五
それから四日の後、音羽の旗本佐藤孫四郎は町奉行所へ呼び出された。寺の住職祐道は寺社奉行の名によって同じく呼び出された。祐道は出頭したが、孫四郎はその前夜に急病頓死という届け出があった。表向きは急病と云うのであるが、その死の自殺であることは後に判った。
お近という女の死骸も江戸川に浮きあがった。