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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

放火は流行る。将軍家は二月に上洛、六月に帰府、十二月には再び上洛の噂がある。猿若町の三芝居も遠慮の意味で、吉例の顔見世狂言を出さない。十一月十五日、きょうは七五三の祝い日だと云うのに、江戸城の本丸から火事が出て、本丸と二の丸が焼ける。こんな始末で世間の人気は甚だ穏かでありません。それに付けても、わたくし共の仕事は忙がしくなるばかりで、今になって考えると、よくもあんなに働けたと思う位です。

その二十三日の朝のことでした。本所竪川通り、二つ目の橋のそばに屋敷を構えている六百五十石取りの旗本、小栗昌之助の表門前に、若い女の生首が晒してありました。女は年ごろ二十二、三で、顔にうす痘痕はあるが垢抜けのしたいい女。どう見ても素人らしくない人相、髪は散らしているので、どんな髷に結っていたか判りません。その首は碁盤の上に乗せてありました」

「碁盤……。薄雲の碁盤ですか」と、わたしはすぐに訊き返した。

「そうです。例の薄雲の碁盤です」と、老人はうなずいた。「勿論それと知れたのは後のことで、そのときは何だか判らず、ただ立派な古い碁盤だと思っただけでしたが、なんにしても女の生首を碁盤に乗せて、武家の門前に晒して置くなどは未曾有の椿事で、世間でおどろくのも無理はありません。