Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
寺社方の指図で、忌でも取り外さなければならない小判ではあるが、さてそれが紛失したとなっては大問題で、係りの者一同も顔の色を変えて騒ぎ出しました。ともかくもその次第を寺社方へ訴え出ますと、役人の方では、それ見たことか、一体そんな不用心な物を飾って置くから悪いのだと叱り付ける。盗まれた上に叱られて、いや散々の始末。ひと先ずその兜を取り片付けて修繕に取りかかりました。
しかし寺社方の方でも叱ったばかりで済まされません。取りあえず町方に通知して、その盗難詮議を依頼することになりました。八丁堀同心の矢上十郎兵衛は麻布の御用聞き竜土の兼松を呼んで、その探索を命じる。兼松はもう五十二、三で麻布の竜土に住んでいるので仲間内では竜土と呼ばれていました。場末ではあるが、若い時から腕利きで知られた男です。渋谷といえば、もうお江戸の部ではないのですが、こういう場合には江戸の町方が踏み込んで活動するほか無い。兼松は委細承知して帰りました」
二
兼松が竜土の家へ帰った頃には、三月十二日ももう暮れかかっていた。旧暦の三月であるから、きょうは朝から生暖かい風が吹いて、近所の武家屋敷の早い桜はもう散り始めていた。