Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
汗ばんだ襟のほこりを手拭でふきながら、兼松は格子をあけてはいると、子分の勘太が待っていた。
「親分、御苦労でした。八丁堀の御用は長谷寺の一件じゃあありませんかえ」
「むむ。ここらでももう評判になっているか。察しの通り、銭の兜だ」と、兼松は長火鉢の前で一服吸いながら云った。「今も八丁堀の旦那と話して来たのだが、おめえはあの兜を見たか」
「見ましたよ。奉納場に飾ってあるのだから、手を着けてみる訳にゃあいかねえが、なにしろなかなか念入りの細工で……。江戸にあんな職人はありますめえ」
「おれは此の頃出不精になったのと、年寄りのくせに後生気が薄いので、まだお開帳へ参詣をしなかったが、それほど念入りに出来ている兜から小判五枚を引っぺがすのは容易じゃあねえ。恐らく素人の芸じゃああるめえ。金銀細工をする奴らだろう。かねてから付け狙っているうちに、きのう寺社方からのお指図で、急にその小判を取り外すことになったので、奴らも慌ててゆうべのうちに引っぺがしに来たのだろう。こっちの油断は勿論だが、奴らもなかなか抜け目がねえ。だが、勘太。こりゃあ案外早く知れるぜ」
「そうでしょうか」