Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(六)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.831 Zeichen · 396 Bildschirme
触らぬ神に祟り無しで、好んでそんな事件にかかり合うには及ばないと云うのが、長八の意見であった。
彼はその意見に基づいて伜の長三郎を戒めたが、今や幸之助に対しても同様の意見をほのめかして、若い侍の冒険めいた行動を暗に戒めると、幸之助もおとなしく聴いていた。
幸之助が帰ったあとで、お北は父にささやいた。
「東青柳町にまた白い蝶々が出たそうですね」
「お前は立ち聴きをしていたのか」と、長八はすこしく機嫌を損じた。「立ち聴きなぞするのは良くないぞ」
お北は顔を赤くして黙ってしまった。
その翌夜は黒沼の逮夜で、長八夫婦と長三郎は列席した。他にも十五、六人の客があったが、大抵の人は東青柳町の噂を聞き知っていた。そうして、それは切支丹の魔法ではないかなどと説く者もあった。今夜の仏の死が奇怪な蝶に何かの関係を持っているらしくも思われるので、遺族の手前、その噂をするのを憚りながらも、奇を好む人情から何かとその話が繰り返された。父からきびしく叱られているのと、また二つには若年者の遠慮があるので、長三郎は終始だまっていたが、諸人のうわさ話を一々聞き洩らすまいとするように、彼は絶えずその耳を働かせていた。