Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
甚右衛門はその昔、御法度の賽ころを掴んで二十人あまりの若い者を頤で追い廻していた男であるが、取る年と共にすっかりと堅気になって、女房の名前で営んでいた緑屋という小料理屋を本業に、まず不自由もなく暮らしているのであった。
白髪頭の甚右衛門は帳場から顔を出して、笑いながら挨拶した。
「やあ、三河町、めずらしいな。まあ、あがんなせえ。松さんも一緒だね。御苦労、御苦労。おまえさん達が繋がって来た筋は大抵わかっている。まったく騒々しくって、どうもいけねえ」
そのうちに愛想のいい女房も出て来て、二人は二階の小座敷へ案内された。
「どうです、相変らず御繁昌のようですね」と、半七も笑いながら訊いた。
「お蔭でどうにか店を張っているが、なにしろ御停止の五十日が明けねえうちは、まあ商売休みも同然だ。そこで、早速だが、おまえさん達は竜濤寺の一件で出張って来なすったんだろうが、あいつはちっと難物だね」と、甚右衛門は顔をしかめた。
「わたし達の縄張りの内の仕事じゃあありませんが、なにしろ事件が大きいから、ひと通りは調べて来いと、御寺社の方から声がかかったものですから、何がなんだか夢中で飛び出して来ました。