Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
その女とお鎌婆さんとの間に、何か因縁があるのでは無いかと、半七はふと思い付いた。たとい実の子はなくとも、親類の娘か、知り合いの女か、それがお鎌をたずねて来るようなことが無いとも限らないと、彼は思った。それにしても、他人に道を尋ねるようでは、初めてお鎌の家をさがしに来たのかも知れないと、彼は又かんがえた。そのうちに、三人は竜濤寺の門前に行き着いた。
「成程、ひどい荒れ寺だな」と、松吉は傾きかかった門を見あげながら云った。「これじゃあ何かの怪談もありそうだ」
門内にはそのむかし雷火に打たれたという松の大木がそのままに横たわって、古い石甃は秋草に埋められていた。昼でも虫の声がみだれて聞えた。いかに貧乏寺といいながら、ともかくも住僧がある以上、よくもこんなに住み荒らしたものだと思いながら、半七は草を踏みわけて進んでゆくと、死骸の見いだされた古井戸はそれであると、友吉は庫裏の前を指さして教えた。大きい百日紅の下にある石の井筒には、一面に湿っぽい苔がむしていた。今度の騒ぎで荒らされたと見えて、そこらの草はさんざんに踏み散らされていた。
半七も松吉も井戸をのぞいた。