Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
お国はまた眠ってしまったので、それからどのくらいの時間が過ぎたか知らないが、再び表の戸をたたく音がきこえた。
「おい、おい」
今度はお国は眼をさまさなかった。二、三度もつづけて叩く音に、小僧の次八がようやく起きたが、かれも夢と現の境にあるような寝ぼけ声で寝床の中から訊いた。
「誰ですえ」
「おれだ、おれだ。平公は来なかったか」
それが親方の庄五郎の声であると知って、次八はすぐに答えた。
「平さんは来ませんよ」
外では、そうかと小声で云ったらしかったが、それぎりで黙ってしまった。眠り盛りの次八は勿論すぐに又眠ったかと思うと間もなく、又もや戸をたたく音がきこえた。今度は叩き方がやや強かったので、お国も次八も同時に眼を醒ました。
「おかみさん。おかみさん」と、外では呼んだ。
「誰……。藤さんですかえ」と、お国は訊いた。
「庄さんはどうしました」
「もうさっき出ましたよ」
「はてね」
「逢いませんかえ」
「さっき出たのなら逢いそうなものだが……」と、外では考えているらしかった。
「大木戸で待ちあわせる約束でしょう」と、お国は云った。
「それが逢わねえ。不思議だな」
「平さんに逢いましたか」