Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
「はあ」と、お徳も不思議そうに相手をいよいよ見つめた。思いも付かないことを云い出されて、かれは少しく煙にまかれたのであった。
「ひとりの男……むらさきの着物を被て、冠をかぶった上品な人でございました。それがわたくしの枕もとへ参りまして、自分の命はきょう翌日に迫っている。どうぞあなたの力で救っていただきたいと、こう申すのでございます。そこで、一体あなたは何処のお方ですかと訊きますと、わたくしは無量寺門前の草履屋の藤吉という人の家にいる。そこへお出でになれば自然にわかると、云うかと思うと夢が醒めました。なにぶんにも夢のことでございますから、そのままにして置きましたのですが、夜になって考えますと、なんだか気にもなりますので、とうとう思い切って今時分に伺いましたようなわけでございますが……」
いよいよ判らないことを云い出すので、お徳はただ黙って聴いていると、女はひと息ついて又語り出した。
「それも夢だけのことでございましたら、わたくしもそれほどには気にかけないのでございますが、実はけさになってみますと、枕もとに魚の鱗のようなものが一枚落ちていましたので……。