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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

それは紫がかった金色に光っているのでございます」

お徳の顔色は俄かに動いて、おもわず台所の方をみかえると、そこでは大きい魚の跳ねるような音がきこえた。女客も俄かに耳を引っ立てた。

「あ、奥で何か跳ねるような……」

お徳はやはり黙っていた。

「唯今申し上げたことで、何かお心あたりのようなことはございますまいか」と、女はしずかに云った。

「別にどうも……」と、お徳はあいまいに答えたが、その声は少しふるえていた。

「まったくお心あたりはないでしょうか」

台所ではまた魚の眺ねる音がきこえた。女はその物音のする方を伸びあがるようにして覗きながら、また云い出した。かれの声も少しふるえていた。

「お願いでございます。お心あたりがございますならば、どうぞ教えていただきたいのでございますが……」

その訴えるような声音が一種の恨みを含んでいるらしくも聞えたので、お徳はまた俄かにぞっとした。さっきからの話を聴いて、お徳も内々は思いあたることが無いでもなかったのである。実を云うと、夫の藤吉はこのあいだから彼の江戸川のどんど橋のあたりへ忍んで行って、禁断のむらさき鯉の夜釣りをして、現にゆうべも一尾の大きい鯉を釣りあげて来た。