Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばんか

晩夏

堀 辰雄

Lesen Sie 晩夏 (ばんか) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.249 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

「ボンファイアって何だい?」私はそういう妻から努めて話を引き出すように訊いた。

「まあ、ボンファイアを知っていらっしゃらなかったの? 呆れたわね。」妻は少しはしゃいでいた。「夕方になってから、みんなで焚火をしてね、そのまわりで最初はお祈りをしたり、讃美歌を唄ったりして、礼拝をするのよ。――それが終ると、ソオセエジを串焼きにして麺麭にはさんで食べたりしながら、その焚火のまわりで踊ったりなんかして遊ぶんだわ。素敵だわよ。……」

私は少してれ臭そうに聞きながら、最後に言った。「ふん、ソオセエジをその焚火で串焼きにして食べるのかい? それは好いなあ。」

が、私の心の裡に、こういう山に囲まれた湖畔で、そんな焚火を背景にして、大勢の若い娘たちが生の悦びに充ち溢れながら遊び戯れる光景を、殆ど眼底にしみつくように、鮮かに浮ばせた。

妻はそこに落ちていた燃え残りの薪を拾って、湖水の方へほうった。それは水まで届かないで砂地に落ちた、引汐時だったので、水はずっと向うまで引いていたのだった。

私もその真似をしようとした。自分なら湖水まで楽に届かせて見せると思ったが、途中で急に気がついて薪を棄てた。