Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あんこくせい

暗黒星

江戸川 乱歩

Lesen Sie 暗黒星 (あんこくせい) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.000 Zeichen · 188 Bildschirme

Aozora Bunko

顔を蔽っている両手の指がみるみる涙で濡れて行く。

「あんまりだわ……あんまりだわ……あたしが、一郎さんをあんな目にあわせたやつと、ぐるだなんて……そ、そんなことが、できるとお思いになって……」

押し殺しても押し殺しても、突き上げてくる泣き声のあいだに、恨みの言葉が、ほとんど言葉をなさぬほど途切れ途切れに聞こえた。

この感情の爆発には、冷静な伊志田氏もつい慌てないではいられなかった。彼は思わず椅子から立ち上がって、綾子の背中に手を当てながら、やさしくなだめるのであった。

「何も泣く事はない。もういい。もういい。お父さんは、お前が犯罪に関係があるなんて考えたわけじゃないよ。そんなことがあるはずはない。ただ、お前がどうして、塔の中などへはいったか、訊ねてみただけさ。さあ、もう泣くんじゃない」

「だから、だから、あたし、塔なんかへ、はいった覚えはないと言っているのに……」

綾子はあくまで冤罪の恨みごとを言い立てる。

「よしよし、それもわかった。お前のいうように、何かの間違いだろう。さあ、もう行っておやすみ。お父さんにはよくわかったのだからね。ね、さあ、部屋へお帰り」