Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
そがのあばれんぼう
曽我の暴れん坊
Lesen Sie 曽我の暴れん坊 (そがのあばれんぼう) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.123 Zeichen · 19 Bildschirme
しかるにこれが二羽ながら吸われるように落ちてくる。五郎は二人をとりまいている平六の家来の者に、
「トビを拾ってきてくれないかね。昨夜から食事しないので、腹がへった」
一人の家来が持ってきたトビの一羽を平六が手にとって改めると、ド真ン中を突きぬけて、矢の羽が半分ちかくも肉の中にくいこんでいる。恐るべき強弓。家来の顔を見渡すと、みなみな口を半開きにして魂をぬかれたような顔をしている。そうだろう。五郎は一羽のトビのクビをぬいて血をすすっているのである。
「空腹の御様子。食事の邪魔も礼なき業であるから、本日はお別れ致そう。後日の挨拶をお待ち致しておるぞ」
と平六は胸をはり刀にソリをうたせて、馬上ユラユラ立ち去った。十郎は五郎の手の中からトビを奪って地上に叩きつけて、
「仇討までは大切な命。つまらぬ事を起してはならぬと云うのに」
「分った。よく、分ったよ。しかし、こまったね。居候の当がなくなったね。平六の女房も三浦の叔母もずいぶんうまい物をタラフク食べさせてくれたが、目にチラついてこまる」
十郎の目にチラつくのは女の顔、五郎の目にチラつくのは山盛のゴチソーだ。
「大磯に当があるから、心配するな」