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Japanische Klassiker mit Furigana

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みいらのみみかざり

木乃伊の耳飾

国枝 史郎

Lesen Sie 木乃伊の耳飾 (みいらのみみかざり) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.905 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

三

博士は思わず跪坐き、松火を地面へ落としたまま、その一双の耳飾へその眼をじっと注いだのであった。

三

斯ういう事件があってから、一月程経過した或日のこと、英京ロンドンの諸新聞は、若い英国の考古学者、ドイルス博士の訃を伝えた。しかも死因は他殺であったため、博士の近親や友人は、警視庁と力を合わせ、犯人の捕縛に努力したけれど、遂に犯人は解らなかった。新聞の報告に依る時は、殺害事件のあった当夜ドイルス博士は知人を招き、埃及ギゼーの金字塔内から、発掘したところの耳飾を示し、発掘の成功を祝し合ってから一同と共に晩餐をしたため、客の総が帰った後、耳飾を納めた箱を持って、自分の寝室へ這入ったそうで、それから二時間も経ったろうか、博士の寝室から血を吐くような断末魔の叫声が聞えて来た。

召使二人は眼を醒まし、博士の寝室へ駈けつけた。そして扉を打ち砕き内へ這入って様子を見ると、博士は短刀で胸を突かれ、朱に染まって斃れていたが、不思議のことには寝室を籠めて、死を思わせるような物の香が、一杯に漲っていたそうである。不思議と云えばもう一つ、博士を殺した短刀は、欧羅巴のどこを探がしても見つけることの出来ないような、古代埃及の武士の使った、鋭い鋭い月刀であって、しかも尖刀には大麻から取った死毒が塗りつけてあったそうである。