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Japanische Klassiker mit Furigana

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きぼりウソをつくったとき

木彫ウソを作った時

高村 光太郎

Lesen Sie 木彫ウソを作った時 (きぼりウソをつくったとき) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.464 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

さっきの声はそのウソの鳴音だったのである。

ウソを見て一番さきに興味をおぼえたのはその姿勢と形態とであった。この小鳥は思いきった直立の姿勢でとまり木にとまっていた。むしろ後ろに反りかえっていると言ってもいい動勢を有っていた。それを見るとすぐ、あの柳の丸材で作った、亀井戸天神のウソ替のウソを思出した。柳の丸材へ横に半分鋸を入れて上からぽんぽんと二つ三つ鑿でこなし、その後ろへ削りかけのもじゃもじゃを作り、脳天を墨でぬり、眼玉を描き、ぐるりと紅で頸を撫で、胸とおぼしきところに日の丸を一つ附けた、あの原始的なウソの木彫は、実に強くこの自然の動勢に迫っている。あの木彫りのウソは実物のウソよりも、もっとほんとにウソのようだ。私はたちまち自分でもウソの木彫を作ってみたくなった。鳥屋さんのいわゆるその照りウソを一羽籠ごと求めて持ちかえった。

私は幅二寸、奥行二寸五分の檜の角材を高さ六寸ほどに切った。それから毎日ウソを観てばかりいた。ウソは鳥屋の店の仲間の声から急にひとり引離されて、いかにもさびしそうに見えた。一日ばかりは鳴かなかったが、そのうちまたしみとおるような、細い、高い、ヒュウ、ヒュウという口笛を吹きはじめた。