Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きぼりウソをつくったとき

木彫ウソを作った時

高村 光太郎

Lesen Sie 木彫ウソを作った時 (きぼりウソをつくったとき) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.464 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

私は自分で生きものを飼う事が苦手のため、平常は犬一匹、小鳥一羽も飼っていないが、もともと鳥獣虫魚何にてもあれ、その美しさに心を打たれるので、街を歩いていると我知らず小鳥屋の前に足をとめる。母が生きていた頃だからもう十幾年か以前の事である。或る冬の日本郷肴町の小鳥屋の前に立って、その頃流行していたセキセイインコの籠のたくさん並んでいるのを見ていたが、どうもこの小鳥の極彩色の華美な衣裳と無限につづくおしゃべりとが、周囲のくすんだ渋い、北緯三十五度若干の東京の太陽の光とうまく調和しないように感じられて、珍らしくおもしろいとは思いながら、それほど夢中にはなれなかった。そのうちセキセイのぺちゃくちゃの騒音の間から、静かな、しかし音程のひどく高い、鋭く透る、ヒュウ、ヒュウという声が耳にはいった。店の奥の方から来るのだが、それが何だかもっと大変遠いところから聞えて来るような響をしているので、何だろうと思って店の中へ踏み込んだ。その頃私は小鳥の名などをさっぱり知らなかったので、それぞれの籠につけてある名札をよみながら鳥を見た。鶯、山雀、目白、文鳥、十姉妹などの籠の上に載っていたウソをその時はじめて詳しく観察した。