Japanische Klassiker mit Furigana
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きそがわ
木曾川
北原 白秋
Lesen Sie 木曾川 (きそがわ) von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.659 Zeichen · 52 Bildschirme
見えざる山岳の気韻は彼方にある。何と籠もったぶどう鼠の曇り。
と、蕭々として、白い鉄橋の方へ時雨るる蝉のコーラスである。
爆音がする。左岸の城山に洞門を穿つのである。奇岩突兀として聳え立つその頂上に近代のホテルを建て更に岩石層の縦の隧道をくりぬき、しんしんとエレヴェーターで旅客を迎える計画だそうである。遊覧船は屋形、或は白のテントを張って、日本ラインの上流より矢のように走って来る。その光、光、光。恰も中古伝説の中の王子の小船のようにちかりちかりとその光は笑って来る。
「おうい」と呼びたくなる。
中仙道は鵜沼駅を麓とした翠巒の層に続いて西へと連るのは多度の山脈である。鈴鹿は幽かに、伊吹は未だに吹きあげる風雲の猪色にその嶺を吹き乱されている。
眼の下の大河を隔てた夕暮富士を越えて、鮮かな平蕪の中に点々と格納庫の輝くのは各務ヶ原の飛行場である。
西は渺々たる伊勢の海を眼界の外に霞ませて桑名へ至る石船の白帆は風を孕んで、壮大な三角洲の白砂と水とに照り明って、かげって、通り過ぎる、低く、また、ひろびろと相隔たった両岸の松と楊と竹藪と、そうして走る自転車の輪の光。