Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こだま

木精

森 鴎外

Lesen Sie 木精 (こだま) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.628 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

そして父の手伝をさせられるようになった。それで久しい間例の岩の前へ来ずにいた。

ある日の朝である。山を一面に包んでいた雪が、巓にだけ残って方々の樅の木立が緑の色を現して、深い深い谷川の底を、水がごうごうと鳴って流れる頃の事である。フランツは久振で例の岩の前に来た。

そして例のようにハルロオと呼んだ。

麻のようなブロンドな頭を振り立って呼んだ。しかし声は少し荒を帯びた次高音になっているのである。

呼んでしまって、じいっとして待っている。

暫くしてもう木精が答える頃だなと思うのに、山はひっそりしてなんにも聞えない。ただ深い深い谷川がごうごうと鳴っているばかりである。

フランツは久しく木精と問答をしなかったので、自分が時間の感じを誤っているかと思って、また暫くじいっとして待っていた。

木精はやはり答えない。

フランツはじいっとしていつまでもいつまでも待っている。

木精はいつまでもいつまでも答えない。

これまでいつも答えた木精が、どうしても答えないはずはない。もしや木精は答えたのを、自分がどうかして聞かなかったのではないかと思った。

フランツは前より大きい声をしてハルロオと呼んだ。