Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほんじょりょうごく

本所両国

芥川 竜之介

Lesen Sie 本所両国 (ほんじょりょうごく) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.005 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

相生町

菓子屋の寿徳庵は昔のように繁昌しているらしい。しかしその向うの質屋の店は安田銀行に変っている。この質屋の「利いちゃん」も僕の小学校時代の友だちだった。僕はいつか遊び時間に僕等の家にあるものを自慢し合ったことを覚えている。僕の友だちは僕のように年をとった小役人の息子ばかりではない。が誰も「利いちゃん」の言葉には驚嘆せずにはいられなかった。

「僕の家の土蔵の中には大砲万右衛門の化粧廻しもある。」

大砲は僕等の小学時代に、――常陸山や梅ヶ谷の大関だった時代に横綱を張った相撲だった。

相生町

本所警察署もいつの間にかコンクリートの建物に変っている。僕の記憶にある警察署は古い赤煉瓦の建物だった。僕はこの警察署長の息子も僕の友だちだったのを覚えている。それから警察署の隣にある蝙蝠傘屋も――傘屋の木島さんは今日でも僕のことを覚えていてくれるであろうか? いや、木島さん一人ではない。僕はこの界隈に住んでいた大勢の友だちを覚えている。しかし僕の友だちは長い年月の流れるのにつれ、もう全然僕などとは縁のない暮しをしているであろう。僕は四、五年前の簡閲点呼に大紙屋の岡本さんと一緒になった。