Japanische Klassiker mit Furigana
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おうかをよめるく
杉田久女随筆集
杉田 久女
Lesen Sie 杉田久女随筆集 (おうかをよめるく) von 杉田 久女 (すぎたひさじょ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.273 Zeichen · 33 Bildschirme
入相の鐘にやせるか山桜 智月
山寺の鐘のねにさそわれて花のおびただしく散りいそぐ梢の有様を鐘にやせるかと主観的に形容したところ。美の把握が不足し、感興の燃焼がまだ充分とぎ出されていないので、浅い句となっている。
遠山に見えゐし花も散りにけり
さしながら早くも散るや山桜 和香女
山づとに折りとってきたのか、山桜の花をさしている。その膝に、畳に、はらはらと早くもちりかかる花びらのつつましさ、嫩葉の色。山桜でこそ一層なつかしく感じられる。朝夕遠山の木の間に眺めくらした桜もいつしか散ってしまい嫩葉の色がもえ出した晩春の眺め。いずれも山桜の特性を写した句で、りん女の句より、ずっと感じが深い。元禄天明の古句が、山桜に他のものを配して一句を構成しているのに比し近代の此二句はただ山桜そのものの美しさなり実相を写生しているところに、差違がある。
木樵より他に人なし遅桜 多代女
みささぎや松の木の間の遅桜 砧女
多代女の句にはまだ一幅の絵としても描き足らぬ力弱さがあるが。一方山陵の多いい堺地方にすむ作者は、翠岱の木の間をつづる遅桜を描いて、晩春の詣でる人も少いみささぎの森厳な空気をよく出している。