Japanische Klassiker mit Furigana
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りりょう
李陵・山月記・弟子・名人伝
Lesen Sie 李陵・山月記・弟子・名人伝 (りりょう) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.013 Zeichen · 129 Bildschirme
「この魚だが、この魚が、なぜ、わしの眼の前を通り、しかして、わしの餌とならねばならぬ因縁をもっているか、をつくづくと考えてみることは、いかにも仙哲にふさわしき振舞いじゃが、鯉を捕える前に、そんなことをくどくどと考えておった日には、獲物は逃げて行くばっかりじゃ。まずすばやく鯉を捕え、これにむしゃぶりついてから、それを考えても遅うはない。鯉は何故に鯉なりや、鯉と鮒との相異についての形而上学的考察、等々の、ばかばかしく高尚な問題にひっかかって、いつも鯉を捕えそこなう男じゃろう、お前は。おまえの物憂げな眼の光が、それをはっきり告げとるぞ。どうじゃ。」確かにそれに違いないと、悟浄は頭を垂れた。妖怪はそのときすでに鯉を平げてしまい、なお貪婪そうな眼つきを悟浄のうなだれた頸筋に注いでおったが、急に、その眼が光り、咽喉がゴクリと鳴った。ふと首を上げた悟浄は、咄嗟に、危険なものを感じて身を引いた。妖怪の刃のような鋭い爪が、恐ろしい速さで悟浄の咽喉をかすめた。最初の一撃にしくじった妖怪の怒りに燃えた貪食的な顔が大きく迫ってきた。悟浄は強く水を蹴って、泥煙を立てるとともに、愴惶と洞穴を逃れ出た。