Japanische Klassiker mit Furigana
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りりょう
李陵・山月記・弟子・名人伝
Lesen Sie 李陵・山月記・弟子・名人伝 (りりょう) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.013 Zeichen · 129 Bildschirme
悟浄出世
一
寒蝉敗柳に鳴き大火西に向かいて流るる秋のはじめになりければ心細くも三蔵は二人の弟子にいざなわれ嶮難を凌ぎ道を急ぎたもうに、たちまち前面に一条の大河あり。大波湧返りて河の広さそのいくばくという限りを知らず。岸に上りて望み見るときかたわらに一つの石碑あり。上に流沙河の三字を篆字にて彫付け、表に四行の小楷字あり。
八百流沙界
三千弱水深
鵞毛飄不起
蘆花定底沈
――西遊記――
一
そのころ流沙河の河底に栖んでおった妖怪の総数およそ一万三千、なかで、渠ばかり心弱きはなかった。渠に言わせると、自分は今までに九人の僧侶を啖った罰で、それら九人の骸顱が自分の頸の周囲について離れないのだそうだが、他の妖怪らには誰にもそんな骸顱は見えなかった。「見えない。それはの気の迷いだ」と言うと、渠は信じがたげな眼で、一同を見返し、さて、それから、なぜ自分はこうみんなと違うんだろうといったふうな悲しげな表情に沈むのである。他の妖怪らは互いに言合うた。「渠は、僧侶どころか、ろくに人間さえ咋ったことはないだろう。誰もそれを見た者がないのだから。鮒やざこを取って喰っているのなら見たこともあるが」