Japanische Klassiker mit Furigana
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りりょう
李陵・山月記・弟子・名人伝
Lesen Sie 李陵・山月記・弟子・名人伝 (りりょう) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.013 Zeichen · 129 Bildschirme
軽薄なる世人の常とて、当時隴西(李陵の家は隴西の出である)の士大夫ら皆李家を出したことを恥としたと記されている。
この知らせが李陵の耳に入ったのは半年ほど後のこと、辺境から拉致された一漢卒の口からである。それを聞いたとき、李陵は立上がってその男の胸倉をつかみ、荒々しくゆすぶりながら、事の真偽を今一度たしかめた。たしかにまちがいのないことを知ると、彼は歯をくい縛り、思わず力を両手にこめた。男は身をもがいて、苦悶の呻きを洩らした。陵の手が無意識のうちにその男の咽喉を扼していたのである。陵が手を離すと、男はバッタリ地に倒れた。その姿に目もやらず、陵は帳房の外へ飛出した。
めちゃくちゃに彼は野を歩いた。激しい憤りが頭の中で渦を巻いた。老母や幼児のことを考えると心は灼けるようであったが、涙は一滴も出ない。あまりに強い怒りは涙を涸渇させてしまうのであろう。
今度の場合には限らぬ。今まで我が一家はそもそも漢から、どのような扱いを受けてきたか? 彼は祖父の李広の最期を思った。(陵の父、当戸は、彼が生まれる数か月前に死んだ。陵はいわゆる、遺腹の児である。だから、少年時代までの彼を教育し鍛えあげたのは、有名なこの祖父であった。