Japanische Klassiker mit Furigana
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かきいろのかみふうせん
柿色の紙風船
海野 十三
Lesen Sie 柿色の紙風船 (かきいろのかみふうせん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.032 Zeichen · 28 Bildschirme
すっかり裏をかえして調べてみた。ところが、やっぱり何も見当らない。これは尻あてと、呼吸を吹きこむ口紙の方と間違ったかナと思って、今度はそっちの方をひきってみた。が、やっぱり無い。そんな筈はない。そんな筈はない。が、どうしても見当らないのだった。
「ああーッ」
私の腰はヘナヘナと床の上に崩れてしまった。夢ならば醒めよと思った。神様、もう冗談はよしましょうと叫んだ。時間よ、紙風船を破く前に帰れよと喚きたてた。だが、そんなことが何の役に立つというのだ。絶望、絶望、大絶望だった。数万の毛穴から、身体中のエネルギーが水蒸気のように放散してしまった。私は脱ぎ捨てられた着物のようになって、いつまでも床の上に倒れていた。
それはどれほど後だったかしらぬ。私はようやく気がついて、床の上に起き直った。
考えてみると、随分馬鹿な話だった。あれほどうまく隠しおおせた三万五千円のラジウムが、とうとう行方不明になってしまったのだ。だが、あの日までは私の手のうちにあったラジウムである。現在も地球上の、どっかに存在している筈であった。
そう思うと又口惜し泪がポロポロ流れ落ちて来るのだった。