Japanische Klassiker mit Furigana
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こうしじまのもうふ
格子縞の毛布
宮本 百合子
Lesen Sie 格子縞の毛布 (こうしじまのもうふ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.755 Zeichen · 6 Bildschirme
格子縞の毛布
宮本百合子
縮毛(ちぢれげ)のいほは、女中をやめた。
毎日風呂にゆき、ひびがすっかりなおると、彼女は銘仙の着物を着て、自分のように他処でまだ女中をしている国の友達や、屑屋をしている親戚を訪問して歩いた。彼女の赤い頬ぺたや、黒くてちぢれた髪に、青々した縞の銘仙着物はぱっとよく似合った。手袋も、襟巻も、そう大して古くはないのをつけ、誰もが急しそうにしている暮に、
「あなた御用があるでしょう? 私暇だから、お正月にまた来るわ。ね、そして写真一緒にとりましょうよ」
というのは何とお嬢さんのような気がしたことだったろう!
誰の目にも、いほが女中はもう根っきり、はっきりやめたのが明になった。大概あきも来たであろう。いほは、東京に出てから五年、土ふまずが平ったくなる程方々の台処で働きつづけたのだ。女中をしないとすれば、次に、彼女は何になるというのだろう。
屑屋の叔母が、或る日いほを、靴なおしの兄の家に訪ねて来た。靴底に、金の減りどめを打ちこむトントン、トントンという音に合わせて叔母は、いほに一番適切な話をした。
「お前さんに頃合いな人があるよ、軍人さんところで、従卒をしている人、三十だって。