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Japanische Klassiker mit Furigana

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くわのきものがたり

桑の木物語

山本 周五郎

Lesen Sie 桑の木物語 (くわのきものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.815 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

――近いうち若君の御学友にあげられるだろう、そのなかでおまえと小太郎の二人に、いちばん望みをかけている。

極秘だというし、こっちはそんな窮屈な役はまっぴらだから、まだ誰にも云ってはないし、なるべくそんなことにならないように――つまり優良児童だと誤解されないように――つとめているのだが、一方ではどうしても対抗する気持が出る。おれだって花田先生には望みをかけられているんだぞ、こう云ってやりたい気持でむずむずした。

だが癪に障るのは相手の態度である、新泉小太郎はこっちを無視していた。乙にすましかえってまるっきりこっちを見ようともしない。もともと無口のほうらしいが、二度か三度こっちから話しかけたのに「そう」とか「いや」とか云うばかりで、ぜんぜん相手にしないのである。喧嘩をふっかけてやろうと思ってもそんな隙がないし、――なにしろいまいましくって、毎日の通学が苦になるくらいだった。

兄の松太郎とはふしぎなくらい関係がなかった。同じ家に住みいっしょに学堂へも通っていたのだが、満足に口をききあった記憶もない。双生児は性質も似るというが、そうとばかりは定らないらしい。