Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

その男はにやにやしながら弁明した。

その次は爺さん。チンドン屋に会うと、気持が変になって入って来る。何度も入って来るから、延時間にすればこちらの方が古顔ともいえる。もう一人は若い男。テンプラ屋の次男で、病名はアルコール中毒。皆おとなしい。

〈騒いでももう遅い。おれはあそこから数百里離れたところにいる〉

喫茶店でコーヒーを飲む前から、淀んで変化のない、喜びもない病室に戻りたくないという気分はあった。――

スチュワーデスが操縦室から、つかつかと出て来た。彼等に背をかがめて言った。

「もう直ぐ鹿児島空港ですから、このまま飛びます。御安心下さい」

そして次の客の方に歩いて行った。窓ガラスはほとんど油だらけになっていた。丹尾が言った。

「席を変えましょうか」

「そうだね」

五郎は素直に応じて、二人は通路の反対の座席に移動した。その方の窓ガラスは透明であった。突然雲が切れる。前方に海が見える。きらきらと光っていた。

「あんたはいくつです?」

座席バンドをしめながら、丹尾が言った。手が震えていると見え、なかなか入らなかった。

「ぼくは三十四です」

「四十五」

五郎は答えた。