Japanische Klassiker mit Furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme
その足で薬屋に寄り鎮痛剤を買い、駅前のレストランに歩み入る。ビールと料理を注文する。待っている間も、体を動かすとあちこちの筋肉が痛む。昨夜のあんまのせいだ。ビールが運ばれてくる。
「揺り返しか。地震みたいだな」
鎮痛剤を一錠、ビールとともに飲み下しながら、彼は呟いた。
「やはり怒ったのがいけなかったのかな」
怒ると筋肉が緊張する。それが凝りの原因になる。それに今朝から何時間も、汽車の座席に体を固定させて来た。そのせいもあるのだろう。昨夜の怒りはまだ完全に収まってはいなかった。レストランの椅子は小さく、安定感がなかった。彼は自分の怒りを確めるように、わざと体の重心を動かしてみる。椅子がそれにつれて、がたりと動く。卓もそうだ。三本脚で立ち、一本脚は浮いている。皆がたがただ。
「つまりおれは、怒りという媒体がないと、世の中に入って行けないのだな」
この論理は間違っていた。世の人間関係に巻き込まれたから怒ったのであって、彼が怒りを持って参加したのではない。五郎はうすうすとそれを知っていたが、前者には眼を閉じ耳をふさぎ、後者に執しようとしていた。
ポークカツを切り刻み、ソースをだぶだぶかける。