Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme
もう相当に酒が入っていると見えて赤い顔をした男もいたが、私達が入って来た為かどうかは知らないけれど、一座が変に白けていて、部屋に入って行くのが、逆らうような厭な気持がした。私達が部屋のすみに並んでぼんやり浮かぬ顔をしていると、車座の中央に坐っていた中年の女が、小さな女中が運んで来た膳を一つ一つ私達の前に並べた。とうとうこれで帰れなくなったと私は観念した。
天願氏が急にすわり直すと、此の度はどうもと殊勝気に頭を下げたので、私もあわててすわり直したら、その婦人は、物凄く巨大な徳利をかかえて私達の方ににじり寄って来て、さあひとつ、たんと飲んで下さいませと言った。
私は盃に酒を注いで貰いながら、私はその婦人を眺めた。
眉が濃くて男のように秀でていて、その下に白眼勝ちの油を含んだような眼があった。黒い洋服を着ていたが、その洋服は今まで見たこともないような奇異な裁ち方をしてあった。胸のところを広く開いてあるので、青く静脈の浮いた胸が見える。それだけならいいけれど、どういうつもりか知らないが、その上に釣鐘マントを羽織っている。ああ、モナリザだと私は思い出した。