Japanische Klassiker mit Furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme
北口で後尾が襲撃された時、運悪く塩を搭載した牛車隊が全滅したので、宇治達は次第に塩分の不足に悩まされ始めて来たのである。それははっきりした症状ではなく、初めは何となく頭が霧をかけたようにぼんやりし、刺戟に対する反応が自分でも判るほど鈍くなる。可笑しいなと思っているうちに身体の部分がむくみ、急に立ち上ったりすると膝頭ががくがくした。こうなって初めて塩分の不足ということが頭に来た。たまに一塊の塩を得ると、貴重なもののようにして舐めた。久し振りに舐める塩は、ふしぎなことには甘い味がした。塩とはこんな甘いものかと思った。砂糖よりももっとあまかった。舐めると次の一日間位は元気が出た。
此のような悪条件下でも、宇治の大隊はツゲガラオ飛行場に対する遊撃戦を放棄する訳には行かなかったのだ。毎夜斬込隊が編成され、五号道路を越えツゲガラオ飛行場付近の幕舎や倉庫を襲った。将校を長とする大きな編成の斬込隊や下士官を主とする奇襲隊が、一夜に幾組も密林を越えた。斬込みに赴いたまま帰らぬ者も多かった。斬込行の途中で逃亡する兵がようやく多くなった。十数名に足らぬ編成から七八名も逃亡することもあった。