Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつちしき
植物知識
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物知識 (しょくぶつちしき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.784 Zeichen · 86 Bildschirme
しかしここにいう Viola mandshurica W. Beck. のスミレは、その常花の後で能く果実の稔っているものを見かけることがある。このスミレもその後では、しきりと閉鎖花によっての果実が続々とできるのである。
いったい、スミレの花は昆虫に対し、とても巧妙にできている。まず花は側方に向いているので、昆虫が来て止まるに都合がよい。花弁は上の方に二片、両側に二片、下の方に一片がある。そしてこの一片の後方に一つの距のあることは、前に記したとおりである。
花が開いていると、たちまち蜜蜂のごとき昆虫の訪問がある。それは花の後ろにある距の中の蜜を吸いに来たお客様である。さっそく自分の頭を花中へ突き入れる。そしてその嘴を距の中へ突き込むと、その距の中に二つの梃子のようなものが出ていてそれに触れる。この梃子ようのものは、五雄蕊中の下の二雄蕊から突き出たもので、昆虫の嘴がこれに触れてそれを動かすために、雄蕊の葯が動き、その葯からさらさらとした油気のない花粉が落ちて来て、昆虫の毛のある頭へ降りかかる。
そしてこの昆虫がよい加減蜜を吸うたうえは、頭に花粉をつけたままこの花を辞し去って他の花へ行く。