Japanische Klassiker mit Furigana
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つばきのはなのあか
椿の花の赤
豊島 与志雄
Lesen Sie 椿の花の赤 (つばきのはなのあか) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.755 Zeichen · 22 Bildschirme
それから一二度逢ってるうちに、彼も次第に口を利くようになったが、それでも、過敏な感性といったようなものが言葉を抑制するのが、私の目についた。自分の言葉がすぐ自分に反映してくるらしく、その蒼白い顔を度々赤らめるのだった。そのためにはまた却って彼の言葉を心からの真実なものと感じさせもした。これと並べると、李の言葉は平然とした明確なものだけに、却って嘘か本当か分らなくなる恐れがあった。少くとも、別所と共には笑い難く、李と共に笑い易かった。
別所がやってる校正の仕事について、或る時、議論が二つに別れた。別所が校正枝術が下手でよく叱られるというような雑談から進んで、別所に云わすれば、内容の下らないもの即ち下らない文章では、初めから軽蔑した気分になって校正もうまくゆかないというのである。然し李に云わすれば、下らない軽蔑すべき文章ほど校正はうまくゆく筈だというのである。なぜなら、文字の上だけなら誤植のまま読み通せる場合がある以上、どうせ文章は読み取ってゆかねばならぬものだから、下らない文章ほどその場合の心の繋がりが稀薄になり、随って字面を辿る機械的な働きが高度化する。