Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
Lesen Sie 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.492 Zeichen · 156 Bildschirme
私は家内を加藤家へお焼香にやった後、小路いっぱいに電柱の傍に群れよって沈んでいる、看守の服装をした沢山な人たちの姿を眺めていた。そのときふと私はその四五日前に見た、加藤家の半白の猫が私の家の兎(うさぎ)の首を咥(くわ)えたと見る間に、垣根(かきね)を潜(くぐり)り脱けて逃げた脱兎(だっと)のような身の速さを何となく思い出した。
高次郎氏の不慮の死はやはり子供たちの云い張ったようだった。酔後終電車に跳ねられてすぐ入院したが、そのときはもう内出血が多すぎて二日目に亡くなったということである。みと子夫人は裁縫の名手だから高次郎氏の死後の生活の心配は先ず無くとも、見ていても出来事は少しこの家には早すぎて無慙(むざん)だった。加藤家はその後すぐ人手にわたった。そして一家は高次郎氏やみと子夫人の郷里の城ヶ島へ水の引き上げてゆくような音無(おとな)しさで移っていった。
三カ月は不慮の死の匂いがあたりに潜んでいる寂しさで私は二階に立った。ある日みと子夫人から、香奠返(こうでんがえし)に一冊の貧しい歌集が届いた。納められた中の和歌は数こそ尠(すくな)かったがどれもみな高次郎氏の遺作ばかりだった。