Japanische Klassiker mit Furigana
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はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
Lesen Sie 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.492 Zeichen · 156 Bildschirme
私は自分にもこんな日がしばしば来たばかりか、他人の非に出あわぬ朝とて幾十年の間ほとんどないのを思いよくも永年(ながねん)この忍耐をしつづけて来たものだと、我が身をふり返って今さら感慨にふけるのだった。
「上官のあつきなさけに己が身を粉とくだきて吾はこたへむ」
この歌も高次郎氏を思うと嘘ではなかった。私はこのような心の人物の一人でも亡くなる損失をこのごろつくづくと思うのだが、上官に反抗する技術が個性の尊重という美名を育て始めた近代人には、古代人のこの心はどんなに響くものか、私は今の青年の心中に暗さを与えている得も云われぬ合理主義に、むしろ不合理を感じることしばしばあるのを思い、私の子供にこれではお前の時代は駄目になるぞと叱る思いで、次の歌を読みつづけた。
「移されしさまにも見えずわが池の白き睡蓮(すいれん)けさ咲きにけり」
加藤高次郎氏のこの歌集は題して「水蓮」という。これは高次郎氏の歌の師匠のつけた題であるが、この師は高次郎氏の「睡蓮」について睡を水としたまま次のように書いている。
「加藤君がかつて水蓮によって、人生をいたく教えられたことがあると言って、しみじみと洩(も)らされたことがあった。