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Japanische Klassiker mit Furigana

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はるはばしゃにのって

機械・春は馬車に乗って

横光 利一

Lesen Sie 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.492 Zeichen · 156 Bildschirme

Aozora Bunko

「この期日の間違いには、銀行として応じるわけには不可(いか)ないそうでありますが、あなたは日本の方ですから、特にこの度(た)びは、規則を破ってお払いすると、云いました」

とそう云って、所用のハンガリヤ紙幣を梶にわたしてくれた。梶はふかくその銀行員の好意に感謝し銀行を出た。しかし、彼は歩きながらも、日本の銀行員の落度と、それに気附かずハンガリヤで指摘された自分の二つの落度が、忽(たちま)ち諷刺の爪(つめ)をむき立てた獅子に追われるようで暫く不愉快になるのだった。

「みなのものは、この獅子には舌がないと云って、笑いました。そうしますと、その彫刻家は自殺しました」

自分がその獅子か彫刻家か、しかし、どちらにしても、実に梶には恐るべき童話になるのだった。特に自分の国に好意をよせ、出すべき舌を隠していてくれる場所であるだけになお彼にはこの罌粟(けし)の中の都会が恐るべきものに見えて来た。

その夜、ヨハンは食事のとき、また昨夕とは違った料亭へ梶をつれて行って、そして云った。

「この家の料理はこの国で一等です。ハンガリヤ料理です」

三日目に、ようやく彼はこの国の最上の料理を梶に食べさせてくれるわけだった。